雪乃side



_______ねぇよ。

『???』

何故か唐突に思ったこと。

なんだろ?

んー……?


誰からも問われた訳では無いのに、質問に答えているような。

まぁ、いいか。


「なんだったんだ?さっきのメール。」

「表示、見えたけど、浅岡 樹からよね?」

『そう。』


画面を開いて、日向と胡桃に差し出す。


大きくて男らしい手をした日向が私の携帯を取り、見た所で胡桃に渡す。

今度は胡桃の華奢な指が私の薄桃色の携帯を包んだ。

日向と一緒に見ればいいのに、この2人はそんな事しない。

私ならめんどくさくて、日向が持った携帯を横から覗いちゃうのに。

そして、わざわざ私の方へ向けてくれる日向は優しいと思う。



そんなことを考えているうちに、胡桃まで読み終わったらしく私の手元に携帯が帰ってくる。



無機質な携帯は、鞄に入れられていた冷たさではなく人肌で少し暖かくなっていた。