風船の中に宇宙は広がる。

その日から学祭まで、私と悠はひたすらに演奏をしていた。

あの日、相棒という存在を再確認した私は、悠の歌声を聴きながらギターを掻き鳴らす。

相棒って、なんだかすごく不確かなようにも思える。
家族と比べて、恋人と比べて、友達と比べて。
友達以上、恋人未満とか、そんなものと比較はしたくない。
もっと、別の。
違うベクトルのような気がしてならない。


「綾!」

「…うん。」

「行くぞ!」

「…うん!」


遂に、本番。
軽音部初の、人前での演奏。
照明の落とされた体育館は、ザワザワと人の声が響く。


「この世界は今 何色に染まる?」


そんな空間に、一滴、落とされたように。
悠の声が響き渡る。

その滴は、波紋を広げる。
人の声は、やがて止んで。


「紛れもない 僕らの色に」


そして、私は一つ、息を吐いて。

ギターを、鳴らす。


それと同時についた照明は、私と悠を照らす。
今、この空間は。

紛れもなく、私たちの色。


緊張だって、していたはずなのに。
今は、楽しいと自由だけが膨らんでいく。

隣の悠の表情も、キラキラと光っているように見えた。


悠と目が合う。

最っ高だな!


そう、言っているように感じて。
私は満面の笑みで頷いて見せた。