彼の手元では何かが揺れていた。
意外な物に思わず口をついて出ていた。
「可愛い………。」
「何が?あぁ。これ?」
有名なキャラクターのクマのぬいぐるみが鍵につけられて揺れていた。
鍵に付けるにしては少々大きいそれは可愛い存在感を放っており、車にも彼にも不釣り合いなのが微笑ましく思えた。
そういうの付けたりする人なんだ。
意外な姿にフフッと笑っている私の目の前にそのクマが差し出された。
「あげるよ。
特にこだわって付けてるわけじゃない。」
「いえいえ。
これじゃねだったみたいじゃないですか。」
慌ててお断りすると思ってもみなかった、もっと意外な姿を見ることになった。
片手でクマを持った倉林支社長がクマを自分の顔の前で動かして声マネをし始めたのだ。
「むさっ苦しい男のところよりも可愛い花音ちゃんの側がいいクマ!」
少しだけ可愛らしい声マネの後にクマの横から顔を出した彼が「ね、クマもそう言ってるよ」と微笑んだ。
「可愛いのは倉林支社長ですよ。」
クマも、声マネも似つかわしくなくて、けれどそれにすごく好感が持てる。
紳士で大人な倉林支社長にこんな可愛らしい一面もあるなんて……。
意外な物に思わず口をついて出ていた。
「可愛い………。」
「何が?あぁ。これ?」
有名なキャラクターのクマのぬいぐるみが鍵につけられて揺れていた。
鍵に付けるにしては少々大きいそれは可愛い存在感を放っており、車にも彼にも不釣り合いなのが微笑ましく思えた。
そういうの付けたりする人なんだ。
意外な姿にフフッと笑っている私の目の前にそのクマが差し出された。
「あげるよ。
特にこだわって付けてるわけじゃない。」
「いえいえ。
これじゃねだったみたいじゃないですか。」
慌ててお断りすると思ってもみなかった、もっと意外な姿を見ることになった。
片手でクマを持った倉林支社長がクマを自分の顔の前で動かして声マネをし始めたのだ。
「むさっ苦しい男のところよりも可愛い花音ちゃんの側がいいクマ!」
少しだけ可愛らしい声マネの後にクマの横から顔を出した彼が「ね、クマもそう言ってるよ」と微笑んだ。
「可愛いのは倉林支社長ですよ。」
クマも、声マネも似つかわしくなくて、けれどそれにすごく好感が持てる。
紳士で大人な倉林支社長にこんな可愛らしい一面もあるなんて……。