「花音ちゃんが飛ばされるのは困るけど、花音ちゃんなら支社長とお似合いだと思うわけ。」

「………?」

 何が?なんのこと?

 急に二人が異世界の言葉を話しているような心持ちになって言葉がうまく理解できない。

「理解不能って顔してる。」

「本当ね。」

 クスクス笑われても二人が何を言いたいのか……。
 理解できない私は置き去りに松山さんは楽しそうに言う。

「綺麗系の美人さんなのに支社長が絡むと途端に可愛らしくなるんだから。」

「そ、あ、その……。
 何か勘違いされてるんじゃ。」

 どうにもさっきから話の方向性もおかしいし、二人は何か同じ意見を持って話しているような気がする。

 松山さんが呆れたように目を丸めた。

「何を言ってるの。
 好きなんでしょう?支社長のこと。」

 好き……?私が。支社長のこと?

 人から言われて顔が急激に熱くなった。
 嘘でしょ?

「ほら。顔が赤くなった。」

 河内さんまで楽しそうに私をからかった。

「違っ。これは倉林支社長が美し過ぎるのでイケメンに対する不可抗力で……。」