私が提案したのは会社でお祭りを開催して地元の人にも来てもらおうということ。
 ただ『来てください』と言うだけで来てくれるわけがない。

 そこで私は地元のお祭りのパンフレットを指し示して考えを述べた。

「この辺りは昔から村をあげて大太鼓が盛んです。
 今も夏祭りに披露される大太鼓は見る者を圧倒させる迫力があります。
 大太鼓の方々を我が社のお祭りにお招きしましょう。」

 ニッコリと微笑むと真剣に聞き入っていた倉林支社長が声を出して笑った。

「そいつはすごいね。
 我が社で催している祭りはないのに。」

「えぇ。だから作りましょう。お祭り。」

 そこから、あぁでもない、こうでもないと話し合いは深夜まで続いた。