デキる女を脱ぎ捨てさせて

「多分、花音は俺が寝てると思ったんだろうね。
　ごめん。起きてた。」

「嘘……。」

「本当。お陰でいいこと聞けた。」

　悪戯っぽい顔が向けられて顔が熱い。

　起きていたなんて……。
　寝てて聞かれていないと思ったから言えた言葉だ。
　もう一度言ってと言われても……。

　もじもじする私に痺れを切らしたのか彼が催促するように言った。

「俺のこと好き？」

　彼のイメージからかけ離れた可愛らしい問いかけに胸がキュンと鳴いて思わず彼に近づいた。
　目を丸くした崇仁さんにそのままキスをした。

「もう。可愛いことして。」

　叱ったような崇仁さんに囁いた。

「好きです、よ。崇仁さんのこと。」

「うん。俺も好きだよ。」

　目を細めて微笑む彼とどちらからともなく顔を近づけてキスをした。

　優しくて柔らかな雰囲気を醸し出す甘い彼に私も自分じゃないみたいにすり寄って甘えた。