「ご紹介に預かりました倉林崇仁です。
呼び方は倉で構いません。
厳しくご指導よろしくお願いします。」
「よっ。ボンクラ!」
からかうような声かけが上がって、ドッと笑いが起きた。
苦笑した倉林支社長が手を上げて「ボンクラ息子の汚名を返上できるよう頑張ります」と意気込みを口にするともう一度拍手が起こった。
良かった。
なんとか受け入れてもらえたみたいだ。
それなのに気が晴れない。
また休憩のおやつタイムに戻ると倉林支社長はたちまち子ども達に囲まれた。
「これ、なんていうお菓子?」
「ポルボロンだよ。
スペインのお菓子なんだ。」
「ポロポロのボロボロだから?」
「ふふっ。そうかもね。」
「これは?これはー?」
楽しそうな彼らを離れたところからぼんやり眺めた。
私、馬鹿みたい。
倉林支社長が自分のことを地元の人だからって利用してるって言われて心のどこかでそれを鵜呑みにしていた。
利用も何も。
彼に私なんて必要ないじゃない。
虚しくなって足を引き寄せると体を丸めた。
呼び方は倉で構いません。
厳しくご指導よろしくお願いします。」
「よっ。ボンクラ!」
からかうような声かけが上がって、ドッと笑いが起きた。
苦笑した倉林支社長が手を上げて「ボンクラ息子の汚名を返上できるよう頑張ります」と意気込みを口にするともう一度拍手が起こった。
良かった。
なんとか受け入れてもらえたみたいだ。
それなのに気が晴れない。
また休憩のおやつタイムに戻ると倉林支社長はたちまち子ども達に囲まれた。
「これ、なんていうお菓子?」
「ポルボロンだよ。
スペインのお菓子なんだ。」
「ポロポロのボロボロだから?」
「ふふっ。そうかもね。」
「これは?これはー?」
楽しそうな彼らを離れたところからぼんやり眺めた。
私、馬鹿みたい。
倉林支社長が自分のことを地元の人だからって利用してるって言われて心のどこかでそれを鵜呑みにしていた。
利用も何も。
彼に私なんて必要ないじゃない。
虚しくなって足を引き寄せると体を丸めた。

