公民館の入り口で何か作業をしていたおじさんが顔を上げた。
「おう。来たか。
これはまたたくさん。」
顔をほころばせたおじさんに驚愕する思いだった。
ずっと頑なだったのに、お菓子につられるなんて。
いえ。協力してもらいたくてそうして来たんですけどね。
倉林支社長に「私がいない時にも挨拶に来ていたんですか?」とか「私の時にお饅頭を持って行くのには何も言わなかったくせに」とか、色んな不満が口を出そうで口を引き結んだまま彼らの後に続いた。
そんな私におじさんは容赦ない言葉をかけた。
「若いもんはこういうハイカラな菓子に食いつくんじゃ。
花音ちゃんも子どもの頃は菓子目当てに来てたもんじゃなぁ。」
楽しそうに話すおじさんには申し訳ないけど、これ以上何も話さないで欲しい。
惨めで恥ずかしくて穴があったら入りたかった。
それなのにおじさんはひどい台詞を重ねて言った。
「花音ちゃんは大太鼓のセンスゼロじゃ。
見学だけじゃろ?」
「え………。」
絶句して俯き気味だった顔を上げるともう決定事項なのだろう。彼らはスタスタと大太鼓をたたいている部屋の方へ入って行ってしまった。
晴れない心を抱えたまま、私も部屋へと足を踏み入れた。
「おう。来たか。
これはまたたくさん。」
顔をほころばせたおじさんに驚愕する思いだった。
ずっと頑なだったのに、お菓子につられるなんて。
いえ。協力してもらいたくてそうして来たんですけどね。
倉林支社長に「私がいない時にも挨拶に来ていたんですか?」とか「私の時にお饅頭を持って行くのには何も言わなかったくせに」とか、色んな不満が口を出そうで口を引き結んだまま彼らの後に続いた。
そんな私におじさんは容赦ない言葉をかけた。
「若いもんはこういうハイカラな菓子に食いつくんじゃ。
花音ちゃんも子どもの頃は菓子目当てに来てたもんじゃなぁ。」
楽しそうに話すおじさんには申し訳ないけど、これ以上何も話さないで欲しい。
惨めで恥ずかしくて穴があったら入りたかった。
それなのにおじさんはひどい台詞を重ねて言った。
「花音ちゃんは大太鼓のセンスゼロじゃ。
見学だけじゃろ?」
「え………。」
絶句して俯き気味だった顔を上げるともう決定事項なのだろう。彼らはスタスタと大太鼓をたたいている部屋の方へ入って行ってしまった。
晴れない心を抱えたまま、私も部屋へと足を踏み入れた。

