朝。

いつものように髪を耳下で2つにくくった私は、なるべく音をたてないように、そっと教室のドアを開けた。

誰か声をかけてくれないかなと少し期待をかけてみたけれど、その期待は一歩足を踏み入れた途端、あっけなく音を立てて崩れた。



誰も私に気づかない。



薄々わかっていたけど、やっぱりつらかった。


なんとなく教室の端をみると、私と同じように誰からも注目されない花が数本、花瓶に生けてあって。





なぜか放っておけなくて、そばに歩み寄った。