去年の、1月の初め。
年始の休日で家にいた私のスマホに、当時勤めていた会社で仲が良かった同世代の女性からメッセージが届いた。
【ねぇ華乃ちゃん、今家にいる? 電話できる?】
幸いにもすぐにそのメッセージを読んだ私は、文面から伝わるなんとなく不穏な空気を受け、メッセージを返すより先にこちらから電話の発信ボタンを押した。
そして、2コール目ですぐに出た彼女・一葉(かずは)ちゃんがひそめた声で口早に教えてくれたのは、思いもよらない話で。
《私ショッピングモールで、ひとりで買い物してたんだけど……たまたま、桝田(ますだ)くんが知らない女と仲良さげに歩いてるの見つけて。腕とか組んでて明らかに身内っぽくもないし、こっそりあとつけて今モールの中にあるカフェにいるんだけど》
彼女の言う桝田くんというのは、もう付き合って4年になる私の2つ年上の彼氏のことだ。
彼もまた同じ会社の、営業部に所属していた。
だから、その彼と同期で顔見知りである一葉ちゃんが見間違えるはずもない。
私は逸る鼓動を抑えきれないまま、彼女が教えてくれたショッピングモールへと急いだ。
そしてSNSで連絡を取りながら一葉ちゃんと合流し、この目で確かに見たのだ。
今日は他県にある実家にいると言っていたはずの自分の彼氏が、自分の知らない女の子と親しげに並び楽しそうにショッピングをしている姿を。
4年もの間付き合っていた私たちは、当然のようにお互いの実家にも行ったことがある。
彼には妹がいたけれど、今隣で甘えたように腕を組んでいるあのコは、妹さんでもない。
年始の休日で家にいた私のスマホに、当時勤めていた会社で仲が良かった同世代の女性からメッセージが届いた。
【ねぇ華乃ちゃん、今家にいる? 電話できる?】
幸いにもすぐにそのメッセージを読んだ私は、文面から伝わるなんとなく不穏な空気を受け、メッセージを返すより先にこちらから電話の発信ボタンを押した。
そして、2コール目ですぐに出た彼女・一葉(かずは)ちゃんがひそめた声で口早に教えてくれたのは、思いもよらない話で。
《私ショッピングモールで、ひとりで買い物してたんだけど……たまたま、桝田(ますだ)くんが知らない女と仲良さげに歩いてるの見つけて。腕とか組んでて明らかに身内っぽくもないし、こっそりあとつけて今モールの中にあるカフェにいるんだけど》
彼女の言う桝田くんというのは、もう付き合って4年になる私の2つ年上の彼氏のことだ。
彼もまた同じ会社の、営業部に所属していた。
だから、その彼と同期で顔見知りである一葉ちゃんが見間違えるはずもない。
私は逸る鼓動を抑えきれないまま、彼女が教えてくれたショッピングモールへと急いだ。
そしてSNSで連絡を取りながら一葉ちゃんと合流し、この目で確かに見たのだ。
今日は他県にある実家にいると言っていたはずの自分の彼氏が、自分の知らない女の子と親しげに並び楽しそうにショッピングをしている姿を。
4年もの間付き合っていた私たちは、当然のようにお互いの実家にも行ったことがある。
彼には妹がいたけれど、今隣で甘えたように腕を組んでいるあのコは、妹さんでもない。


