「一体、何だよ? つーかその前になんか俺に言うことあるだろ?」

「明けましておめでとうございます」

「新年の挨拶じゃねーし! この前は何も言わず帰りやがって。そして、今度は新年早々ドア叩くとかありえーねだろうがよ!」

玄関先でおとなりさんの声が響き渡る。

「この前はありがとう。黙って帰ってごめんね。
あと、ドアを叩いたりしてごめんね」

「別に礼を言ってほしかったわけじゃないけど、まぁいっか。しょうがないからあげてやるよ」

「おじゃましまーす」

そんなわけで、3度目のおとなりさんの部屋。

リビングのテーブルは少し散らかっていた。
ビール缶が数本につまみらしきもの。
テレビはお笑い番組を観ていたもようで、漫才師がネタをやっていた。