結局、何も聞くことができないわたしがとった行動は、目の前にいる榛名くんにギュッと抱きついただけ。



「……なーに、急に抱きついてくるとか」


若干、声のトーンが嬉しそうで、
そのままわたしの背中に榛名くんの腕が回ってきた。



「……あんま可愛いことばっかされると理性保てなくなる」


「か、可愛くない…もん」


ギュッとさらに抱きついて、榛名くんの胸に顔を埋める。



「何言ってんの。こんなに可愛い彼女なのに」


頭をポンポンと軽く撫でられた。


「あれ……い、いま彼女って言った!?」


さっきまで埋めていた顔を、パッと上にあげて、榛名くんの顔を見た。


「言ったけど」

「っ〜!!」


あぁぁよかった……。
さらっと言ってくれてホッとした。