花と雫


こないだチカと話したシチュエーションと全く同じなことを思い出す。
まさか、自分が脱がされる対象だとはあの時は予想していなかったが。

「では、やはり先生が盗撮事件の犯人なんですね?」

「あぁ、そうだよ。墓穴ほったんじゃ仕方ないし、どのみちお前は黙るしかできねぇしな、認めてやるよ」

用意周到、聡明な犯人かと思えたがそうではなかったらしい。
そもそも盗撮なんかする時点で聡明であるはずがなかった。

「そうですか、私がここで叫んだら先生は現行犯ですね」

「減らず口な女だな。残念ながらここは完全防音室だ。聞こえるはずもないし、ドアが開くこともない。余裕な顔してられるのも今の内だぞ」

そうこう言っている間についにすべてのボタンが外された。
ワイシャツの下からは下着がのぞく。
ベージュじゃなくてよかったなんてどうでもいいことを思う。