まるで逃がさない、と言わんばかりにポケットから手錠を取り出すとそれを冬華にはめる。
かちゃり、という金属音と共に腕が固定される。
手錠を持ち歩くなんて、なんて悪趣味な野郎だ。
「まぁ、僕はどちらかと言えば白川さんに来てほしかったんですけどねぇ、ハズレが来て残念です」
ピンチだという状況にもかかわらず、美穂が来なくてよかったとほっとしている自分に苦笑する。
が、相変わらずこの状況は打開できていないが。
「ここで僕が何をしたって、ボイスレコーダーは壊れちゃってるしねぇ、黙ってやられてな」
にやりと笑ったかと思うと、そのままその指は冬華のブラウスにかかる。
リボンが抜かれ、ボタンが一つずつ外されていく。

