花と雫


今しか、ないのだ。
もうすでに家にあるデータもなくなっている可能性もある。
そのためにも早く証拠を上げなければならない。

「…それしかないだろう」

奏が決心したように吐き出した。

「でもよ、どうやってカマかけんだよ」

「それは、私が行こうかなって思ってる」

その言葉に全員の視線が集まる。

「そ、そんな人に接触するって冬華ちゃんが今度危なくなるんじゃないの!?」

「大丈夫だよ、美穂。学校内で接触するんだから相手も大っぴらに馬鹿な事してこないでしょ?ていうかしたらしたでそれは証拠となるからラッキーなんだけどね」