花と雫


静かに涙を流しながら言葉を続ける彼女に胸が少しだけ痛んだ。
まるで、刺さっていた矢をもう一度突き刺されるような、そんな鈍い痛みを感じる。

気が付けば、彼女を抱きしめていた。

「っ、しん、ざきさん」

胸の中で震えている体をきつく抱きしめる。

「わかるよ、気持ち。でもね、自分の体の安売りなんてもうしないで。そんなことで愛を感じないで_______で」

「っはい」

「この件に関しては私が責任をもって解決するから。だから、大丈夫だから。」

彼女の頭をなでながら、そうつぶやいた。
愛されていないとも思っていない。
本当に必要とされていないとも思っていない。

けれど、それが見える形でほしかったのだろうと思う。
見えないことが不安だから。

冬華はその後宮本を帰すと生徒会室に向かった。