そのため、協力者が宮本だとこちらが見抜いたとしても誰の協力者かまでは分からなかっただろう。
「始まりは、SNSでした。その時はもちろん、先生だとはましてや自分の通っている高校の先生だなんて思いもしませんでした。本当に普通の始まりだったんです」
「私は誰かに認めてもらいたかった。自分という存在を必要としてほしかった。愛されたかった。きっとそんなことまで渡部は見抜いていたんでしょうね。だから、“裸の写真がほしいな”なんていわれた時も断り切れなかった。求められてると思ってしまった。だって、それまでは認めてくれたから。けれど、写真を送ってから急変してしまいました」
そこで一旦宮本は言葉をきり、言葉が詰まるように吐き出した。
「わたしはっ、馬鹿でした。顔写真を送った時からきっと先生は気づいていたんだと思います。だから…提案してきたんです。いえ、脅迫ですね。学校の更衣室を盗撮しろ。従わなければこの写真をばらまくぞ、って」
「わたしはっ、断れなかったっ。怖かった。あの時なんであんなことをしたんだろうって後悔してももう遅いのに。だから、今回カメラが発見された時、私ちょっとほっとしてしまったんです。もしかしたら、これで、ここで、終われるかもしれないって」

