「木曜日、先生たちは職員会議をします。ちょうど始まったばかりです。誰にも聞かれやしませんよ」
そう言えば、初めて驚いたように目を見開かせた彼女に“ビンゴ”と心の中で思う。
そして、罰が悪そうに目を伏せる彼女を見つめた。
「では、お話しいただけますか。わざわざ私に会いに来たんですから。____泣いてぶつかるなんていう会い方をしなければいけなかったんですから」
彼女は唇を噛みしめ、そして力を入れていた拳の力を抜くと口を開いた。
「きっと今皆さんが調査されているであろう盗撮事件は____私がやりました」
今にも泣きそうな表情でそんなことをいう彼女、宮本志保は続ける。
「新崎さんもお分かりの通り、私は先生…渡部先生に脅されていました」
渡部…確か1年の担当の英語教師だった気がする。
2年生とは直接的なかかわりはないはずである。

