花と雫


***

「また、会いましたね?」

目の前の彼女にそういえば、驚くでもなく冬華の瞳を見つめた。

「そう、ですね」
ただ、少し居心地悪そうに声を出す彼女に微笑んだ。

「ここじゃなんですから、ちょっと移動しましょうか」

***

「ここで大丈夫ですか?」

そういって着いたのは屋上だった。
放課後ともなれば屋上に来る人間はいない。

「…えっと」

それでもまだ何か言いたげの彼女に冬華は微笑む。