*** 「遅いよね、冬華ちゃん」 スマホを何度も鳴らしているのに出ない冬華に、「まだかよ」と眉を寄せている悠真に夏樹が心配そうな顔をした。 どうせ、冬華のことである。 寝坊したなんていうことだろうけれど。 「はっ、あのブスなんてどーでもいいだ痛っ!んだよチカ」 ハンッと鼻で笑う金谷をチカがたたくのが目に入る。 「もう潤もええかげん仲良うしいや。第一女の子にブスとかいいませーん」 そういわれている潤はまた犬のようにキャンキャンと吠えている。