カァ、かぁ、カァ
そんな声が聞こえ、ゆっくりと眠たい目をこすり、起き上がった。
もう、朝だという現実に絶望しつつぼーっとする頭を押さえて頬をぱちぱちたたいた。
段々覚醒してくる頭に先ほど耳にした音を疑問に思う。
小鳥じゃなくて、カラスの声…。
・・・
_______はっ!
バッと部屋においてある時計を見れば5時30分を指していた。
もちろん朝方の5時30分などではない。
「オーマイガー!!」
二度寝したいなどという考えも一気に吹き飛び目が覚めた。
やばい、非常にやばい。
昨日寮に帰り、ドレスを置いて夜ご飯を食べてそのままねたんだ。
つまり、パーティーは今日だということになる。
そして、約束の時間まで残り30分という現実。
冬華は急いで準備をし、着替える。
それから、鏡台の前に座り髪の毛をセットする。
そこに桜をあしらった髪飾りをつけ、急いで立ち上がった。
「よしっ!」
会場までは仕方ないがタクシーで向かえばいい。
きっともうついているであろうみんなを想いうかべ、冬華は小走りで部屋を出た。

