「えっと、つまり私は明日夏樹と一緒に夏樹の家族に会いに行けばいいってことだよね?」
「そう、なんだけど。ごめんね、こんなこと頼んで」
申し訳なさそうに手を合わせる夏樹に冬華は両手で小さく手を振る。
「そんなことないよ、ただ美穂のほうがいいんじゃないかなとは思うけど」
「美穂は家族が知ってるからそれはないって思われるからダメなんだ。あ、嫌なら全然断ってね」
どうやら、自分はこの人の子犬のような目に弱いらしい。
少し面倒くさいなと思いつつ、この瞳に見つめられたら断れないものである。
「いいよ、明日だよね?どこに行けばいい?」

