「お邪魔します」
遠慮がちに入ってくる夏樹を案内して、キッチンからお茶を持ってくる。
「気を遣わせてごめんね?」
「いいの、いいの。人来ることなんてなかったし、これくらいはさせて?」
そういって目の前にお茶を置けば、「ありがとう」と極上スマイルを向けられる。
チカとは違う天然たらしさを感じる。
「で、どうしたの?」
お茶を飲んで一息ついたところで本題について切り出す。
夏樹が頼ってくるなんていうのは珍しいからそれほどまでに深刻な相談なのだろうか。
「えーっと、お願い、があって…」
「うん、私が出来る事なら何でもするけど」

