急いで、玄関へと向かいドアを開ける。
「やっほー美穂…て、夏樹?」
勢いよく美穂の名前を言ったものの、ドアの前にいるのは紛れもなく夏樹だった。
「…どうしたの?」
部屋に来るなんて珍しい、と目をぱちぱちさせれば夏樹は少し言いにくそうに口を開く。
「えっと、ここではあれだから、入れてもらっていい?」
幸い部屋は昨日掃除したばかりで綺麗に片付いている。
別に問題ないか。
「うん、はいどうぞ」
扉を大きく開けながらスリッパを用意する。
やはりこの学園は何から何まで豪華で寮も一人一部屋がすごく大きい。
1LDKとなっている。
普通のマンションとなんら変わりはない。

