花と雫


「これからきっと、どんどん一緒にいる時間が少なくなるんだろうな、なんて思うんだけどさ。それでもやっぱり、こうして久しぶりに一緒にいると落ち着くんだよね」

「それはよかったわ」

段々と楓の声が小さくなっていく。
楓のほうを向けば、すーすーと寝息を立てて寝ている。

冬華は息苦しそうなまでに上げた布団を少し下げ、口元を出してやる。
真っ赤になった顔はやはり少ししんどそうで、心なしか呼吸も荒い気がする。

ベッドの前に座り込むと楓の顔を見つめる。
悠真に負けず劣らず端正な顔立ちをしている。

意外と自分の周りにいる人たちはイケメンしかいないのかもしれない。
なんて思いつつ、楓の頭を撫でる。