*** 「お腹、すいてる?」 二人がいなくなった部屋、楓が横になったのを確認して冬華は口を開いた。 「いや、すいてない。麗奈たちはああ言ってたけど帰って大丈夫だから」 「…帰ってほしい?」 思わずそんなことを聞けば、楓は少し驚いたように目を見開き、黙り込んだ。 「移したくないってのが一番だな」 だから連絡してこなかったのか、とやっと腑に落ちた。 自分の周りの人間は優しい人ばかりだと改めて気づかされる。 「知ってる?熱って移したら治るらしいよ」 「はいはい」