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「お腹、すいてる?」

二人がいなくなった部屋、楓が横になったのを確認して冬華は口を開いた。

「いや、すいてない。麗奈たちはああ言ってたけど帰って大丈夫だから」

「…帰ってほしい?」

思わずそんなことを聞けば、楓は少し驚いたように目を見開き、黙り込んだ。

「移したくないってのが一番だな」

だから連絡してこなかったのか、とやっと腑に落ちた。
自分の周りの人間は優しい人ばかりだと改めて気づかされる。

「知ってる?熱って移したら治るらしいよ」

「はいはい」