「それにしてもさ、お前の元カノ、昼間昴とイチャついてたぞ~!?」


「昴ってA組の夜神昴のことか…。アイツもとんだ女好きだよなー。」



え………?



いま、夜神の名前が聞こえたような……?



別に興味はなかったけれど周りが静寂なためか、嫌でも話の内容が聞こえてしまう!




とにかく、早く戻ろっ。




なんとなく気配を消しながら薄暗い中、来た道を戻ろうとする、




時だった。




「田畑がまさかあんなチャラチャラした奴がタイプだったとはなー。杉木と全然タイプが違くねえか?」



え!?



あたしの話!??



步を進めようとしていた足がピタリと止まって、声がした方へ振り返ってしまう!



「なあ、どうなんだよ杉木。」




!!!



あれは、智国くん……?!



目をよくこらすと、智国くんを中心に5、6人の男子達がケラケラと笑って話をしていた。



木々があるのもあって、こちらには一切気がついていないみたいだ。




それにしても、今あたしと夜神の話をしてたよね?


それに “イチャついてた” って………、もしかしてあたしと夜神が付き合ってるって誤解されているのかな!?


落ち着かずにその場で立ち止まっていると。



「お前らさぁ、もういい加減にしてくれよな。俺からあの女をフッたんだぜ?つーか、あんなつまんねえ女、こっちからノシつけてくれてやるな!」




え…………。




一瞬誰の声かわからず、智国くんを一点凝視する…!



いま………、なんて……?