そこにいたのは木本先輩。私は慌てて頭を下げたけど、悠は顔を背ける。えっ、どうして?文化祭の時に、先輩と話をしたことを、あんなに嬉しそうに話してくれたじゃん。
でも次の瞬間、私はハッと気が付いた。
(まさか、白鳥先輩が本当に好きな人って、木本先輩のこと・・・?)
果たして木本先輩は
「ごめんなさいね、悠ちゃん。」
って言う。えっ、え〜?パニクる私をよそに、木本先輩は続ける。
「あなたに余計な心配させちゃったね。白鳥くんも言葉足らずだから。」
「・・・。」
「白鳥くんの家庭教師、確かにやらせてもらってます。でも正確に言うと、白鳥兄妹の家庭教師をやってるの。」
「兄妹・・・?」
その言葉に、悠がようやく先輩の方を見る。
「だから、2人きりじゃないの。安心して、悠ちゃん。」
「みどりさん・・・。」
「いくら白鳥くんが仲間でも、2人きりはまずいよね。まして、悠ちゃんの気持ちもちゃんと聞いてるのに。それに私は松本くんを愛してますから。」
そう言うと私達に笑顔をくれる先輩。あちゃ〜、しっかりノロケられちゃった、シンドイな〜。それに悠もとんだ早とちり、ダブルあちゃ〜だな、こりゃ。
「みどりさん、ごめんなさい。私・・・。」
顔を真っ赤にして、頭を下げる悠に、みどりさんはゆっくり首を横に振る。
「私に謝る必要なんてないよ。だから悠ちゃん、白鳥くんに会ってあげて。」
「でも、私、先輩にひどいことを・・・。」
「しちゃったって、思ってるんなら、会ってあげて。あなたがどうしても会いたくないって言うんなら、仕方ないけど。」
「そんなこと・・・。」
あるわけ、ありません、先輩。
「じゃ、行こう。」
「はい。」
頷いた悠に、私がホッとしてると
「由夏ちゃん。」
「はい。」
と先輩に突然呼び掛けられて、慌てて返事をする。
「悠ちゃんから聞いたかもしれないけど、私、あなたと悠ちゃんをスカウトしようと思ってたの。」
「はい。」
「この間、悠ちゃんと話した時は、来てもらえてたら、よかったなぁと思ったけど、今日は声掛けなくて正解だったかもって、思っちゃった。」
「どうしてですか?」
「だって、最大のライバルを身近に招き入れることになっちゃったかもしれないから。」
「先輩・・・。」
「あっ、悠ちゃんにも頼んだんだけど、その先輩っていうのなしにして。名前で呼んで。」
そう言えば、みどりさんは野球部の後輩達にも名前で呼ばれてたっけ。
「みどりさん、松本先輩に私のこと、話してくれて、ありがとうございました。私も先輩に名前で呼んでもらって、本当に嬉しかったです。」
「ううん、松本くんも喜んでたよ。自分をそんなに応援してくれてた子から、花束渡してもらえるんだって。」
私やっぱり、この人には勝てない。これで完全に諦めがつきました・・・。
「由夏ちゃん、1つだけ先輩面して、言わせてもらおうかな。由夏ちゃんは自分の気持ちにもっと素直になった方がいいんじゃないかな?」
「えっ?」
それってどういう・・・?
「由夏ちゃんの心の中にいるのは、本当に松本くんなのかな?」
「みどりさん・・・。」
「もし、本当に松本くんしかいないんだとしたら、私、あなたに絶対に勝てたって自信ないな。」
突然のみどりさんの言葉に、私だけでなく、悠まで固まってる。
「じゃ、またね。」
そんな私に笑顔を送ると、悠を引き連れ、みどりさんは去って行った。
でも次の瞬間、私はハッと気が付いた。
(まさか、白鳥先輩が本当に好きな人って、木本先輩のこと・・・?)
果たして木本先輩は
「ごめんなさいね、悠ちゃん。」
って言う。えっ、え〜?パニクる私をよそに、木本先輩は続ける。
「あなたに余計な心配させちゃったね。白鳥くんも言葉足らずだから。」
「・・・。」
「白鳥くんの家庭教師、確かにやらせてもらってます。でも正確に言うと、白鳥兄妹の家庭教師をやってるの。」
「兄妹・・・?」
その言葉に、悠がようやく先輩の方を見る。
「だから、2人きりじゃないの。安心して、悠ちゃん。」
「みどりさん・・・。」
「いくら白鳥くんが仲間でも、2人きりはまずいよね。まして、悠ちゃんの気持ちもちゃんと聞いてるのに。それに私は松本くんを愛してますから。」
そう言うと私達に笑顔をくれる先輩。あちゃ〜、しっかりノロケられちゃった、シンドイな〜。それに悠もとんだ早とちり、ダブルあちゃ〜だな、こりゃ。
「みどりさん、ごめんなさい。私・・・。」
顔を真っ赤にして、頭を下げる悠に、みどりさんはゆっくり首を横に振る。
「私に謝る必要なんてないよ。だから悠ちゃん、白鳥くんに会ってあげて。」
「でも、私、先輩にひどいことを・・・。」
「しちゃったって、思ってるんなら、会ってあげて。あなたがどうしても会いたくないって言うんなら、仕方ないけど。」
「そんなこと・・・。」
あるわけ、ありません、先輩。
「じゃ、行こう。」
「はい。」
頷いた悠に、私がホッとしてると
「由夏ちゃん。」
「はい。」
と先輩に突然呼び掛けられて、慌てて返事をする。
「悠ちゃんから聞いたかもしれないけど、私、あなたと悠ちゃんをスカウトしようと思ってたの。」
「はい。」
「この間、悠ちゃんと話した時は、来てもらえてたら、よかったなぁと思ったけど、今日は声掛けなくて正解だったかもって、思っちゃった。」
「どうしてですか?」
「だって、最大のライバルを身近に招き入れることになっちゃったかもしれないから。」
「先輩・・・。」
「あっ、悠ちゃんにも頼んだんだけど、その先輩っていうのなしにして。名前で呼んで。」
そう言えば、みどりさんは野球部の後輩達にも名前で呼ばれてたっけ。
「みどりさん、松本先輩に私のこと、話してくれて、ありがとうございました。私も先輩に名前で呼んでもらって、本当に嬉しかったです。」
「ううん、松本くんも喜んでたよ。自分をそんなに応援してくれてた子から、花束渡してもらえるんだって。」
私やっぱり、この人には勝てない。これで完全に諦めがつきました・・・。
「由夏ちゃん、1つだけ先輩面して、言わせてもらおうかな。由夏ちゃんは自分の気持ちにもっと素直になった方がいいんじゃないかな?」
「えっ?」
それってどういう・・・?
「由夏ちゃんの心の中にいるのは、本当に松本くんなのかな?」
「みどりさん・・・。」
「もし、本当に松本くんしかいないんだとしたら、私、あなたに絶対に勝てたって自信ないな。」
突然のみどりさんの言葉に、私だけでなく、悠まで固まってる。
「じゃ、またね。」
そんな私に笑顔を送ると、悠を引き連れ、みどりさんは去って行った。



