ゼミの研究も進み、卒業論文のテーマも決定した。

休み中もしばしば研究室に足を運んでいたので、地元に帰る日も減り、彼と会うこともなくりつつあった。


ゼミの教授は、大学院生が少なくなってきていて危機感を感じているのか、しきりに上手いことを言って勧誘している。

学内推薦だと楽だし、話に乗ろうかなと考えていたが、待ったをかけたのは院生の先輩だ。


その先輩は教授の話にのって院に来たことをかなり後悔しているらしい、半ば学部の雑用のようなことを行わされているという。

はじめは半信半疑で聞いていたが、今行っている内容を発展させた研究がしたいという私の希望は、設備の面でも厳しいことがわかった。

様々な大学の研究室を調べたが、いまいちピンとこない。

そんな中、久しぶりに彼から連絡がきた。

[久しぶり。元気にしてる?]

[俺、今通ってる大学系列で進学することにしたから]

[来年地元に帰るわ。]

彼も大学院に進学するようだ。
私はなんとなくそこに興味が湧いて調べてみた。