「ただ、    」



「美波ちゃんって、小湊くんと仲良かったの?」

「良いっていうか、」

「かっこいいよね、背も高いし。結構人気あるんだけど、あんまり学校来ないし、クールで人と話してるところ見たことなかったから、びっくりしちゃった」

「そうなの?」


なんだ、壱哉だってクールなキャラを作ってるじゃん。

本当は全然そんなんじゃないくせに。


「どうやって親しくなったの?」

「うーんとね、」


質問を重ねてくる志穂ちゃんに若干驚きつつ、どう答えようかと思案する。

ライブハウスで働いていることは内緒だし、1年生の時は別のクラス。出身中学も違うし、塾にも通ってなくて接点と呼べるものは何もない。

かと言って嘘を付くのもなぁーと思っていたところ。


「おーい、美波」


教室のドアが開いて、聞き覚えのある声が私を呼んだ。

すでにジャージに着替えている博貴だ。


「何、どうしたの?」

「悪いけど、ゼッケン縫ってくれない? 取れちゃって」

「いいけど、そんなのクラスの女子に頼めば?」

「だって、美波、こういうの得意じゃん。あ、ソーイングセットは借りてきたよ、はい。早くお願い」

「しょうがないなぁ」