「ただ、    」



まぁでも、志穂ちゃんと同じだからいっか。

そこは自分のクジ運に感謝しよう。じゃなきゃ、今日1日ボッチで行動しなきゃいけないところだった。

寂しがりやというわけではないけど、メンタルが強いわけでもない。

集団生活が基本と呼ばれる学校の中、単独行動するのは結構目立つ。

だから、いつも1人で、マイペースにふらりと学校にやって来ては、与えられたカリキュラムを淡々とこなす、”小湊くん”はすごいなって思っていた。

私にとって彼は、そのくらいの認識で。


「美波は何の種目に出るの?」


窓際の席で机に突っ伏して寝ていた男子が、その人だとは気付かなかった。

今日、来ていたんだ。


「バスケ。そっちは?」

「キックボールだって。俺、あんま得意じゃないんだけど」

「確かに、似合わないかも」

「そういう問題?」


ふふっと笑う声がする。


「嫌なら休めばよかったのに。今日、球技大会って知らなかったの?」

「知ってたけど、休んだら単位をあげないって脅されてさー」

「担任に?」

「そう。どこのヤクザかと思ったよ。マジ怖ぇの」


怠そうに上半身を机にべたッと付けて話す壱哉は、ライブハウスで見る彼よりもずっと高校生らしくて、ハネてる後ろ髪が可愛い。

席に戻ると、志穂ちゃんが興味ありといった様子で私の腕を引っ張った。