この場にいる誰もが
予想だにしなかった展開が
目の前で繰り広げられ

安堵、混乱、納得……
そんな感情が渦巻いている

詩が戻ってくることに安堵する者

傷付けられたはずなのに
まるで何も無かったと言わんばかりの
行動に混乱する者

詩はこういう女の子だったと
納得する者

そんな事をそれぞれが考えている間にも
詩は穂花と手を取り合いニコニコしているのだ

けれど

『これが詩という人間なのだ』

と、腑に落ちてしまうあたり
自分達は詩に魅了されていると
改めて思っていた