奏side

思い出す姿は、いつも通りの詩ちゃんで

やっぱりこんな時だけど可愛い…

だけど、そう思った次の瞬間

詩ちゃんの肩が少し不自然に跳ねた

何かあったと、この場にいる僕達には

すぐに分かった

しかも少し震えてる

笑顔がトレードマークの詩ちゃんが

ここまで変わる何かって一体

なんなんだろう…

北斗の腕の中で未だに震える詩ちゃん

本当は僕だって、抱き締めて

何からも誰からも傷付けられないように

守りたいのに…

そう出来ない自分が悔しくもあり

寂しくもある、複雑だな

この手で君を守りたかった

今もその気持ちは変わらないけど

北斗の腕の中に収まる君と

君を大切そうな優しい目で見つめる北斗に

微笑ましい気持ちもあるんだ

詩ちゃん自身が自分の気持ちに気付くまで

僕が君を好きでいること…

許して欲しいんだ

いつかのその時まで、どうか…