夏、綾瀬とふたりで見たあの大きな花火を思い出す。



あんなに立派な花火じゃないけど、綺麗…。




今ごろ、綾瀬は大事な誰かと一緒にこの花火を見ているんだろうか。



そして、告白して、付き合って…。



あの優しい笑顔と暖かい手をその子に差し上げるんだろうな。



なんて思ってると、涙がどんどん溢れてくる




好きだったなぁ…。



気持ちくらい、伝えればよかったかも。




こんなにも好きだったのに、この気持ちはこれからどこに仕舞えばいいの?



花火みたいにぱっと散ればいいのに…。



そう思って1人で花火を見て、しくしくと泣いていると、



「吉沢!!!」



という綾瀬の声が聞こえた。