SUGARと堕天使。


「うっしゃあー!これで、仕事が楽になるっ!前から人間を雇おうかとも考えてたんだよなぁ」

突然上機嫌になった飯島のテンションに、あたしはついていけなかった。

「あっ、えっ・・・っと、手伝うと言っても難しいことはできな・・・」

「平気だよ。気にすんな。簡単な事しか頼まねぇから」

なんなんだ。この男は。本当はこういうキャラだったのか。

飯島はあたしのところまで駆けよってきた。

「俺は『ナオ』だ。ナオとでも呼べ。お前の名前はなんだったっけ、チシャ猫。」

チシャ猫?・・・あぁ、あのマフラーのことか。というか、チシャ猫なんて知ってるんだ。

「えっと、佐藤志保」

「シホか。チシャではないんだな。まぁいい。仕事の時はチシャと呼ぶ。」

結局チシャっていうなら、いっそ名前きかなくていいじゃんっ!
あたしは心の中でぼやきながらも、黙って飯島・・・いや、ナオか。の話を聞いていた。

「詳しくは、また後に話す。今日はとりあえず帰れ。家まで送ってやる。」

「送ってもらわなくても、自分でちゃんと帰れるから大丈夫」

「よし、行くぞ」

「え?」
ナオは人の話も聞かず、何かいって両手を動かした。

身体がグッと衝撃をうけたかと思うと、自宅の玄関の前にいた。


頭がおかしくなったのかもしれない。
そう思って、洗面所で手を洗いながらボーっとしていると、鏡と目が合った。

おでこにうっすらと、傷跡がのこっていた。

(というよりも、取り残したテープがついていた