「さっき腕時計見て、「あーもうそろそろ解散かー」って思って、自然に会計のこと考えたんだけど。
 うちらってさ、いつも割り勘じゃん?
 どっちが多く食べたとか、どっちが多く飲んだとか、そういうの考えずに、きっちり割り勘。」

「まあ、俺が頼んだのをお前が食べることもあるし、逆にお前が頼んだのを俺が食べるときもあるしな。
 普通じゃん。え?何不満なの?」

「いやまったく。
 むしろその逆。超ありがたい。」

私にとって、このきっちり割り勘はすごくありがたかった。
おごられるのは苦手だし、自分が食べた分はちゃんと払いたいと思うから。

「は?じゃあいいじゃん。」

「うん。いやうちらはそれでいいんだけどさ、今日お昼ね、後輩とご飯食べてたら、
 「この前気になる人に食事に誘われて食事に行ったんですけど、割り勘だったんですよ!信じられます?!」
 って言われて。」

「あー。」

「私は、食事は自分の分ちゃんと払いたいと思うから、むしろ割り勘がいいって思うけど、普通に恋愛してる女子ってそういう風に思わないんだなあ、と思って。」

私の後輩も、普段からおごられて当たり前だとは思っていない子だけど、気になる人との食事だったからこそ、割り勘だったのが気になったらしい。