「誰か、私を……強くしてよ、おねが、い」
そんな小さな叫びさえ、
誰にも拾われることは無いのだから
…声を上げて、泣きたかった。
「助けて」と、大きな声で叫んで、誰かの温もりに縋り付きたかった。
…………………………
そんなことを考えて、気づく。
ーーーーーーーーーー
嗚呼、涙ってなんだろう。
涙、なんて
ーーとっくの昔に枯れたんじゃなかった?
今更、遅いでしょ。
…そんなさ、悲しんだって。
────間に合わないんでしょう?
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「ははっ、だめ。
やっぱ、泣けない」
自嘲笑いさえも、どこか熱を帯びていた。
「あ……信号、青じゃん」



