「芹那に、芹那に何がわかるっ…?
リルハが犯した裏切り行為の成す意味を、
お前は知ってるのか?
…おれが思ってたリルハは、本当のリルハじゃなかった。
…悔しいんだよっ!!
信じてやりたかった…!
信じようとも何度も思った!
、でも…出来なかったんだよ!」
柚は、泣く。
意味のある涙を、私の目前で流す。
私は柚を涙ごと包むつもりで、そっと寄り添った。
「…私に、分からないよ、分かるわけない。
でも、だけどね。
信じてみようとしたんなら、それでいいよ。…いいんだ。
ゆっくりでもいい、ハイペースでもいい。
ただ、自分を保つだけ忘れないで。
本当に好きになれる人、探せばいいよ」
ごめん、柚。
私は、弱いから。
こんなきつい言葉でしか、
柚を助けてやれないんだ。



