今回このことがあって、リルハのことが全て解決したわけじゃない。



だけど、今、言いたいのは、
バカだった、ってことと、



頑張ったな、ってこと。



桃に聞いたところ、桃の彼女、というのは、塾で出会った子だと言っていた。



名前は、賀上 歩-カガミ アユム-。



昔から心臓が弱くて、今なお入退院を繰り返しているのだとか。



なんでも、桃も公園でリルハにキスをせがまれたそうで、



なんとか拒否したものの、
桃の歪み切った表情からしてみるに、



まだ根には持ってるんだと思う。



桃の話を聞いてもまだ、俺の腹の虫の居所は最高潮に悪いままだった。



女が嫌い。



それ以上に、



ーーリルハが嫌いで
ならなかった。



小さく芽生えた恋心は、汚い感情とともに、いつしか枯れて行った。