思えば、きっとその時だったと思う。
…俺が、女嫌いになったのは。
俺は、リルハの腕を思いっきり振りほどいて、家まで走った。
男と女の力の差、
妙に簡単に振りほどくことのできた腕が、なんだかか細く感じて、
少し切ないような気もした。
、熱を持った唇をガシガシとこする。
気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い気持ち悪い、気持ち悪い。
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俺も桃も、それから、リルハとは一切の連絡を絶った。
今になって振り返ると、
あの時の俺は、本当にリルハを好きだったのかさえ分からなくなる。
まあ、きっと苦しかったんだと思う。
今も充分、リルハを思い出すだけでこんなにも苦しいから。



