伝説に散った龍Ⅰ






「う、ふぁぁ…ふっ……ぁぁぁ」



























と、さっきまで泣いていたはずのリルハが、ケロッとした表情で俺を見る。



「…リルハ?」



「私、柚でもいいよ。」
そう口にするリルハの澄ました顔に、
思わず悪寒にも似た何かが身体中を駆け巡った。



「柚、桃にそっくりだし。
もうほんと、誰でもいいの。



付き合ってよ、ねえ柚」



不意に、頷きそうになる。
心のどこか、こんな最低なやつと叫ぶ俺もいれば、



まだリルハが好きだ、と呟く俺もいた。



「リルハ、のことは、
好きだ、だけど、



…悪いけど、桃の代わりとか、そういうことなら俺は付き合わねえ。
これからも、誰とも。」



リルハの歪んだ顔が目に入る。



どうしようもなく緩み切った唇が、俺に危険を知らせた。



強引に、



ーー俺とリルハの唇が重なった。



途中酸素を吸い込もうとして口を開け
「、はっ、…ん、んぅあ」
その隙に舌が侵入し、
気持ち悪く、生ぬるく、“それ”は絡み合った。