まさか、まさかまさかまさか。
リルハは、もしかしたら桃を…
その考えが芽生え始めたのは、
3人で遊園地へ遊びに行った時のこと。
ジェットコースターだのお化け屋敷だの、
たくさんのライドだのを回って、
次は観覧車に乗ろう、ということになった。
高所恐怖症の俺は、もちろん乗れない。
だから、二人を見守っていることしか出来なかったわけで、
そんな二人が観覧車を降りてきた時、
ふと手元を見てハッとした。
ーー手ぇ、繋いでる。
俺らにとったら普通のことだったよ、
…その時までずっと。
けど、違ったんだ。
リルハは、赤く頬を染める。
俺に、ガッツポーズをして見せた。
…幼少期以来、見ることのなかった、
満面の笑みで、笑って見せた。
俺の中の何かが、
その時確実に、壊されたんだ。



