伝説に散った龍Ⅰ






まさか、まさかまさかまさか。







リルハは、もしかしたら桃を…



その考えが芽生え始めたのは、
3人で遊園地へ遊びに行った時のこと。



ジェットコースターだのお化け屋敷だの、
たくさんのライドだのを回って、



次は観覧車に乗ろう、ということになった。



高所恐怖症の俺は、もちろん乗れない。
だから、二人を見守っていることしか出来なかったわけで、



そんな二人が観覧車を降りてきた時、
ふと手元を見てハッとした。










ーー手ぇ、繋いでる。











俺らにとったら普通のことだったよ、
…その時までずっと。



けど、違ったんだ。



リルハは、赤く頬を染める。



俺に、ガッツポーズをして見せた。



…幼少期以来、見ることのなかった、
満面の笑みで、笑って見せた。



俺の中の何かが、



その時確実に、壊されたんだ。