伝説に散った龍Ⅰ






【柚side】



……俺と桃には、昔からいつも一緒だった、幼馴染がいた。



名前は、三谷 璃琉葉-ミツヤ リルハ-。



リルハと俺と桃と、
何をするにも一緒にいた。



だから、その頃は想像もしていなかったんだ。



俺たちが一緒じゃない未来、なんて。



子供ながら、
ずっと一緒にいると心に決めていた。



その煌びやかな期待が打ち砕かれる運命にあることを知った始まりの予兆は、



本当になんでもない、
リルハから相談を受けたこと。



その頃からリルハは、なんにでも長けていて



美人だし、頭もいい、運動もできた。



完璧超人。
この言葉が相応しい。



真っ黒で、腰まで伸びたストレートの艶やかな黒髪、



ぱっちり開いた瞳。



モテない、って、
そんなはずがなかった。