「そっか」、と、一言、呟く。



私は、そんな世那の頭に手を乗せて



「心配すんな。
私これでも世那の姉ちゃんなんだからね。
そんな顔して、



似合わないよ」



そう言い、笑った。



世那を絶対に不安にさせることの無いような、



そんな笑顔で。



信じること、信頼すること。
それは、決して簡単なことじゃないけど



信じないことは、きっと信じること以上に辛いから。



「よっし、この話は一旦終わる!
世那、諒二呼んできて。
ご飯にするよ、って。」



そうやって、微笑めば世那はスキップしそうな勢いで飛び出して行った。



「チョーシ良い奴」



なんとなく嬉しくなって、口をとがらせて呟く。



それは、もしかすると、



「ごはん」、という単語であからさまに顔色が明るくなった世那に対して、



何か妙に嬉々とした雰囲気を表した私の心情だったのかもしれない。