「なぁ、芹那。
いいこと思いついたぜ、俺」
シリアスな展開で、世那はニヤリと怪しく微笑む。
「…なに」
「今日の話の締めに、芹那が歌う」
…ど?
世那の言葉に、選択肢の有無がないことを悟った私。
諒二からの同意もあって、
いやいやながらにギターを取ってきた。
「リクエストは?」
「んー…ーーかな」
お、珍しい。
今、世那が選んだのは私のオリジナル曲。
普段頑なに私の曲を聞こうとしない世那が選ぶとは、思いもしなかった。
「だってこの曲、芹那のデビュー曲じゃん」
私はふふっ、と笑い、ギターを構える。
「聞いてください。
芹で、ーー。」
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