その目に涙を溜め込んで、世那は笑う。
「芹那、ありがとな。
俺ずっと、どうしたらいいかわかんなくて、でも今の芹那の言葉で救われた
その言葉、ずっと待ってたんだ。」
ーーこれからは、ずっと一緒にいよう。
弱気になったら、負け。
そんなこと、分かってたけど。
世那の、そんな言葉聞いたら、強気でなんか居られなくなるよ。
目尻を下げる私を見て、世那は困ったように笑う。
そして、大きく両手を広げる。
あの頃の面影を残した、
やんちゃな笑顔で。
…ごめんね、世那。
「世那、ごめん。ごめんね、
許してなんて言わない。だけど、どうか
…こんな姉ちゃんを、認めてくれる?」
本当は、怖くないわけがない。
今にでも、震えて足がすくんで、
目の前が暗闇に包まれてしまいそうな、
そんなギリギリで今をすごして。
だけど、でも。
世那の腕の中にこうやって飛び込めば
きっと、ほら。
「姉ちゃん」
世那は笑ってくれる。



