ある事件以来、俺は女が嫌いになった。
付き合うことはあった。
手を出すこともあった。
でも、それはきっと、本心からじゃない欲求不満を埋めるため。
これは、あくまで憶測。
あいつも、男が嫌いなんじゃないか。
……いや、少し違う気がする。
きっと、あいつは……芹那は。
人間が、嫌いなんだ、
欲にまみれた、汚い人間どもが。
色がなかったあの、目に。
俺は、なぜか色をつけたいと思った。
あの闇を、呑み込んでしまうような光を。
そんな「興味」、
確かな「興味」。
はじめて、
その心に触れてみたいと、思った。



