伝説に散った龍Ⅰ






【伊織side】



芹那ちゃん、芹那ちゃん、芹那ちゃんっ…!



いくら呼んでも、彼女の背中には届かない。



私、芹那ちゃんの味方だよ?



ねえ、芹那ちゃん。



ーーさっきの顔は何?



私でさえ、芹那ちゃんのあんなに悲しそうな顔みたこと無かった。



なのに…なのにっ、



どうしてこんなに苦しい思いさせちゃったんだろう。



ごめんね、ごめん。



何度だって謝ってみせるよ。



芹那ちゃんが嫌な思いしたんなら、私が、謝るからっ。



だからお願い。



そんなに苦しそうな顔しないで。



お願い、



私の大好きな笑顔で笑ってて。