モトちゃんが私の気持ちを分かってくれていなかったことが悲しいんじゃなくて。
私がモトちゃんの気持ちを分かってあげられてなかったことが悔しかった。
昔から口下手で、勘違いされやすくて、損をすることばかり。
もっと言いたいことを言えばいいと、周りは簡単に言うけれど、私には難しい。
だって、口に出した言葉はもう私の中には戻らない。だから色々と考える。
これを言ったら困らせるんじゃないかとか。これを言ったらイヤな気持ちになるんじゃないかとか。
でも違った。
言葉にしないと、嬉しいも楽しいも伝わらない。
同じ気持ちでいるってことも大切な人には届かないんだ。
「……ハア……ッ、あゆみっ!」
後ろから息を切らせたモトちゃんが走ってきた。
私はモトちゃんが追いかけてきてくれると分かってた。そんなところも、甘えてる。



