そんな私を見てモトちゃんは髪の毛をガシガシと掻く。これは苛立ってる時にモトちゃんがやる癖。
そして人差し指の爪を無意味に触ってしまうのは戸惑う時にする私の癖だということはモトちゃんも分かっている。
「なんかなにやっても全然楽しそうじゃねーし。俺だけ空回りしてるんじゃないかって不安になるんだよ」
……モトちゃんのこんな寂しそうな表情、はじめて見た。
「先週の遊園地の時もそうじゃん。全部のアトラクション回ってお前の好きなメリーゴーランドも3回乗ってさ。俺が楽しい?って聞いてもお前は『うん』だけ」
「………」
「朝早かったから疲れさせたかなとか、暑かったから水族館のほうがよかったかなとか、俺あのあと色々考えちゃって」
違う。
アトラクションも全部乗れて楽しかったし、メリーゴーランドだってモトちゃんが私のために白い馬を走って確保してくれた。
モトちゃんは恥ずかしいって言いながらも隣の茶色い馬に三回も乗ってくれた。
だから、幸せだなって。
時間が過ぎるのが早くて、ずっと帰る時間にならなきゃいいのにって思ってた。



